少し不思議な話
こんにちわ、ナオトです。
今回は先日書き終えた「死を感じて」にも書いた彼女と僕の周りに起きた少し不思議な出来事を書いてみようかなと思います。
僕の家系は一般的に言う所謂「霊感が強い」家系でして、子供の頃から幽霊とかお化け、ってのは当たり前に皆見えてるものだったし、夜中に姉に起こされて「窓の外に幽霊おるから、似顔絵描いたろうや!」と二人でスケッチブック持って窓の外見ながら描いてたり(笑)
それぐらい「日常」だったんです。
まぁ僕個人のそういった体験は置いといて、彼女との間の出来事を。
霊感、とかいうと必ず「信じない」とか嫌悪感を示す人がおられるので、実を言うとこういう話を書くのは少し迷っていて。
そんな怖がらそうってつもりも無いし、ただちょっと不思議な話だなーって感じで気軽に読んでもらえればと思います。
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19歳で亡くなってしまった当時の彼女ですが、付き合っている時にはそういった霊的な話はした事はありませんでした。
彼女はホラーとかも苦手だったので、霊感とかは一切無かったようです。
話は前後して事故にあったと聞き集中治療室に僕が駆け付けた時の事です。
何が何やら理解が追い付かなかった僕は、意識の無い彼女に
「一体何があったの?」
と声に出して聞きました。
もちろん返事はありませんが、「説明しに来てくれ」とも。
そしてその日の夜。 時間は覚えていませんが、うっすら外が明るくなり始めていたので、5時ぐらいだったと思います。
僕がベッドで寝ているとふと彼女がいつも着けていた香水の匂いがして目が覚めました。
僕は「あぁ、来てくれたんだな。」と何の違和感も無く思いました。
目を開けていると消えてしまいそうで、目を閉じその懐かしい匂いを嗅いでいました。
するとベッドの端、ちょうど自分の頭の所に気配を感じます。
ベッドの頭側からお辞儀をするようにして僕の顔を覗き込んでいるのが気配で分かります。
目を瞑っていても瞼越しにふっと暗くなり、彼女の匂いが一層強まります。
一般的には「え!何、怖い!」って思うのかもしれませんが、そんな感情は微塵も無かったですね。ただ嬉しかった。
すると唇に触れる感触が。
すぐに彼女の唇だと分かりました。
ラブストーリーにあるような(?)しっとりとしたキスではなくいわゆる
「小鳥キッス」と呼ばれる「チュッチュッ!チュッチュッ!」という様なキスでした(笑)
ちょっと吹き出しそうになりつつキスを受けていると今度はくるっと僕の上に覆いかぶさり抱きついてきました。
僕の胸に顔をうずめて子犬がじゃれつくように顔を「ン~~~!」と擦りつける彼女。
僕はただ幸せで、今までのように彼女を抱きしめていました。
どれぐらいそうしてたのか分かりませんが、数分だったのかな、あれ?っと思い目を開けました。
自分の身体が天井近くまで浮いていました(笑)
下を見ると幸せそうに寝てる僕。
胸には僕を抱き締めている彼女。
一瞬にして状況を理解しました。
「え、コイツ 俺を連れて行こうとしてんじゃね?」と。
そこで僕は慌てて「アカンアカン!一旦おろせ!」と彼女に言いました。ハッとしたように彼女はそのまま僕をおろし、無事に(?)身体に戻った僕は彼女に向って「ちょっとそこに座りなさい!」と部屋の真ん中を指さして言いました。
さっきまでのロマンティックなムードはどこへやら、生霊として会いに来てくれた彼女への説教タイム突入です。
部屋に正座する彼女は古典的にベロとか出しちゃって、テヘッ!みたいな顔してます。
「つい逢えたのが嬉しくて・・・テンション上がっちゃって」
テンションで僕を連れて行こうとしてました、彼女。
さすがです僕の彼女。
連れて行こうとした事はさておき僕は聞きたかった事故の原因などを矢継ぎ早に聞きました。
その時の彼女曰く、友達が運転する車の助手席に座っていて遊びに行こうとしていた事、強烈なブレーキ音がしてパッと自分の左の窓を見たら窓ガラスのすぐ手間にまでトラックが迫って来ている光景だったこと、気づいた時にはもう遅かったんだ、という事。
当然ですが後日判明した事故の状況はまさに彼女が教えてくれた内容と全く同じでした。
彼女に言ってあげれる言葉が何も見つからず、「そうやったんか。」
ぐらいしか言えなかったのですが、彼女は意外にスッキリとしているような印象を受けたのを覚えています。
結構あっけらかんとしてました(笑)
そして僕をコッソリ連れて行こうとした事について、今は一緒に行ってあげる事は出来ないんだ、という事を伝えると初めて彼女は悲しそうに涙を浮かべながら「・・・はい。」と返事をしました。
正座しながらしょんぼりと泣いている彼女に僕は
「でも俺が死んだらあの世で結婚してずっと一緒にいよう」
と伝えると 「ほんとに!!!ヤッターーー!!」とさっきまで泣いていたのは何だったんだと言わんばかりの笑顔で喜んでいました(笑)
そしてちゃんとしたお別れも言う間もなく
「嬉しいー!じゃあ待ってるね!」と言いながら、
ホントですよ?嘘じゃなく
スーパーマンが飛び立つみたいに両手を挙げてジャンプして天井に消えて行ったんです。
「ヤッターー!♪」って言いながら(笑)
こんな霊(?)は初めてやなぁ、と思いながら思わず笑ってしまいました。
その日から約1ヵ月半後に彼女は亡くなりました。
もちろん悲しみや喪失感は耐え難いものでしたが、あの晩彼女が会いに来てくれていなければ、僕は生きていられなかったかもしれません。
それにもし自分で死を選ぶような事をしてしまえば、あの世で彼女と同じ場所に行けないかもしれない、という思いもブレーキになってくれたのかもしれません。
少し長くなってきたので今回はこの辺で。
次は なぜ彼女は事故という悲惨な目に遭いながらも、どこかスッキリとしていたのか、なぜいつも彼女は生き急いでいたのか、その辺りの謎がこの後分かった時の不思議な話を書いていこうと思います。